はじめに:カーテンがもたらす“部屋を整える”効果
部屋を整えたいと思ったとき、収納や家具の配置に目が行きがちですが、「窓まわり=カーテン」は意外と見落とされがちな要素です。実は、カーテンは面積も大きく、視覚的な印象を大きく左右します。
適切なカーテンを選ぶことで、部屋に統一感が出て「整った印象」が生まれやすくなります。逆に、色や柄が浮いてしまったり、機能性がかみ合っていなかったりすると、暮らし心地も見た目もチグハグになることもあります。ここでは、「部屋を整える」ことを軸に、具体的なカーテン選びのコツを順を追って紹介します。
1|カーテン選びで意識すべき “部屋を整える” とは

“部屋を整える”という言葉には、以下のようなニュアンスが含まれます:
- 統一感・調和:色・素材・テイストがバラバラにならない
- 視線の整理:ウィンドウトリートメントとして邪魔にならず、目線を引き締める
- 快適さとの両立:採光、遮光、断熱、プライバシー確保といった機能も整える
- 空間演出:窓をアクセントにする、壁と調和させる、広く見せるなど
つまり、「見た目だけ美しい」ではなく、「見た目と機能性」で部屋が整っている実感を得られるカーテン選びを目指すことがポイントです。
2|色・柄で整える:インテリアとの調和を意識する

■ベース/メイン/アクセントカラーの割合
多くのインテリアコーディネートでは、以下のような割合や構成が推奨されます:
- ベースカラー(壁・天井・床など):全体の 70~75%
- メインカラー(家具・カーテンなど):20~25%
- アクセントカラー(クッション・小物など):5%程度
この中で、「カーテン」はメインカラーに位置づけることが多いため、極端にベースカラーとズレる色を使うと浮いてしまうリスクがあります。
■色調・トーン・配色パターンの活用
色を選ぶときは、以下のような考え方が役立ちます:
- 同一色/トーン違い:最も安全で統一感が出しやすい
- 類似色/近似色:隣接する色でまとめて、優しい雰囲気に
- 補色・反対色:メリハリが出る。ただし濃淡・配分に注意
また、壁紙・床・家具との関係も見ながら、部屋全体で「浮かない色」を意識することが大切です。
■柄モノの使い方のコツ
大柄・派手な柄はアクセントとして有効ですが、小さい部屋だと圧迫感が出ることも。無地または控えめな柄をベースにして、クッションやアート、ラグと柄をリンクさせるとバランスがとりやすくなります。
3|素材・質感で選ぶ:部屋の印象と使い勝手を高める

カーテンの「素材・生地」は見た目と機能、双方に影響します。
以下を押さえておきましょう。
■天然素材 vs 化学繊維
| 素材 | 特性 | 向く部屋・条件 |
|---|---|---|
| 麻・コットンなど(天然繊維) | 通気性・吸湿性に優れ、自然な風合い。ややシワが出やすい | ナチュラル/北欧系、風を通したい部屋 |
| ポリエステル・レーヨンなど(化学繊維) | シワになりにくく、扱いやすい。機能性加工が施しやすい | 多用途、掃除しやすさ重視の部屋 |
また、厚手/中厚手/薄手などの違いも印象に影響するため、空間の広さや採光との兼ね合いを見ながら選びましょう。
■編み・織り方・裏地の有無
光を通すレース調、遮光性を持たせた遮光カーテン、二重使い(ドレープ+レース)など、織り方や裏地の扱いが異なります。遮光裏地や断熱裏地付きのものは、快適性を高めたい部屋には有力な選択肢です。
4|機能性カーテンで快適性をプラス
カーテンに求める「見た目以外の機能」は、暮らしの質を大きく左右します。
以下の代表的な機能に注目しましょう。
■遮光性・遮光カーテン
日差しをしっかり遮りたい寝室や昼寝スペースには遮光カーテンが適しています。遮光率 1級・2級などの仕様を確認することが重要です。
■断熱・保温効果
冬の冷気遮断や夏の熱対策として、断熱・保温加工された裏地付きのカーテンを使うことで、冷暖房効率の向上も期待できます。
■UV カット・日焼け対策
家具や床の日焼けを防ぎたい場合は UV カット加工された生地やミラーレース(遮像レース)を選ぶとよいでしょう。
■防音・防炎・遮像性
集合住宅や道路付近の部屋では、防音性や遮像性を備えたカーテンも検討対象になります。また、法令により防炎仕様が必要な場面もあるため、用途に応じて確認しておきましょう。
5|サイズ・測り方のポイント
カーテンを正しく機能・見た目よく使うには、サイズ選びが不可欠です。
以下の点に注意しましょう。

■幅の測り方
単純に窓の幅を測るのではなく、カーテンレール端のランナー(フックを掛ける穴)〜穴までを測るのが基本です。余裕を持たせるために、幅の1.5~2倍程度(ヒダをとる分)を見込むケースが多いです。
■丈の測り方
- 掃き出し窓(床まである窓) → レールから床までを測り、マイナス1~2cm 程度が標準
- 腰高窓 → レールから窓枠下までを測り、プラス 15〜20cm 程度を足す場合もあり
- 出窓・小窓 → 開閉の動線を考慮して丈を多少短めに取ることもあります
場合によってはオーダーでピッタリのサイズを頼む選択肢も検討するとよいでしょう。
「サイズが合っているか不安…」という方もご安心ください。
当店では無料の採寸出張サービス(当社指定範囲に限ります)を行っており、カーテンのお見積もりも承っております。
お気軽にお問い合わせくださいませ。

6|部屋別・用途別のおすすめ選び方
カーテンの選び方は、部屋の用途や性格によっても変わります。以下は用途別のおすすめポイントです:

■リビング
- 採光を確保しつつ、日差しの調整ができることが望ましい
- 薄手のレース+厚手ドレープのレイヤータイプが使いやすい
- 色・柄は落ち着きとアクセントのバランスを考えて

■寝室
- 完全遮光性を重視することが多い
- 色は安眠を意識した寒色または中性色が好まれやすい
- 遮音・防音性や断熱性のある仕様もプラス効果

■子ども部屋・個室
明るく楽しい柄を使って個性を出しつつ、汚れ対策も考慮
紫外線対策・紐の安全性など子ども向け配慮も要検討

■和室・和モダン空間
和紙調や織りのテクスチャーを活かした生地
和の色味(藍・抹茶・茶系)を使った落ち着いた配色
おわりに:部屋を整えるカーテン選びのポイント総まとめ
カーテン選びは「見た目 × 機能性 × サイズ」の三拍子をバランス良く考えることが成功の鍵です。特に、部屋を整えるという観点からは、以下のような順序で意識するとよいでしょう:
- 部屋全体のテイスト・配色を把握する
- 色・柄をインテリアに調和させる
- 素材・質感で雰囲気と使い勝手を調整
- 必要な機能性(遮光・断熱・防音など)を見極める
- 正しいサイズでオーダー or 既製品を選ぶ
- 用途別に最適化(寝室、リビング、子ども部屋など)する
この流れに沿えば、「部屋を整えるカーテン」が自然と見えてくるはずです。
